即戦力採用の成否を左右する受け入れ方

 

即戦力採用した人材が思ったほど活躍しない

鳴り物入りで中途入社した即戦力人材が思ったほど活躍しない

 

よくあるケースです。

 

人材紹介会社に高いフィーを払ったのに。

高学歴で大手企業出身者だから良いと思ったのに。

と悔やんでも後の祭り。

 

受け入れ企業の経営者や人事はもちろん、本人にとっても非常に勿体無い話です。

一見、入社した本人のせいにされがちですが、

 

即戦力採用の成否を分けるのは必ずしも本人の責任だけとは限りません。

「ポジション特性」によっては、むしろ受け入れ側に要因があるケースも。

 

「即戦力だし、入社したらうまくやってくれるでしょう。」

 

という考えは非常にリスクが大きいです。

 

本人が活躍し、会社の成長に貢献するコンテクストを整えるのが、

人事部門・受け入れ部門の責任です。

 

 

活躍しやすいケース・しにくいケース

まずは、「活躍しやすいケース」と「しにくいケース」を整理します。

 

<活躍しやすいケース>

・同ポジションが複数名存在する

 ex.営業職、営業課長(課が複数)

・業務フローが決まっている

・新設ポジションだが、社内ステークホルダーが当該ポジションの人材とどう協力するべきか明確に認識している

 

<活躍しにくいケース>

・社内に一人しかいないポジション

・業務フローが曖昧

・新設ポジションかつ、社内ステークホルダーがどう協力するのか不明確

 (周りの人が、あの人何するの?という目で見ている状況)

 

活躍しにくいケースについて、1つ該当するくらいであれば乗り越えられても、3つ全てに該当すると優秀な人材でも苦労します。

 

・何をするポジションなのか

・誰とどう連携する必要があるのか

・その人が来て、変わることと変わらないことは何か

 

この辺りは最低限、環境として整える必要があります。

 

 

人の心に気付きステークホルダーとの関係性に配慮する

即戦力採用の人材が入社する際、多くの既存社員は警戒します。

 

「まずはお手並み拝見」といった「斜に構える状態」になりやすいのです。

 

既存社員がそういった状態になる理由は、いくつか考えられます。

 

・どんな人物/経歴なのか知らされていない

・どんなミッションを担うのかわからない

・自分はどう関わる必要があるのか認識できていない

・自分より活躍されたら自分の評価が下がるのではないかという不安

・「自分は日々苦労しているのに、簡単に活躍されてたまるか」という残念な意識レベル

 

こうしたことは普通に起こるという前提に立ち、人事部門や受け入れ部門の責任者は既存社員の心理に先回りし、必要な説明なり要望をすることが大切です。

 

既存社員の立場に立って考えることがポイントです。

 

 

<今日の質問>

あなたの職場において、中途社員は万全の体制で受け入れられていますか?



著者プロフィール

佐藤 春幸(さとう はるゆき)

プロコーチと(株)セイムペイジ人事責任者のパラレルキャリア。コーチング・組織開発など、変化の渦中にある人と企業を支援。

米国CTI認定CPCC(プロフェッショナル・コーチ)