上司という立場だけで部下はついてこない
マネージャー、リーダーといったチームを率いている人に共通するミッションは、
チーム(すなわちメンバーの)のパフォーマンスを最大化し成果をあげることです。
メンバーから
「この人について行こう」
「この人を信じてやり抜こう」
と思われるかどうか。
しかし、終身雇用・年功序列の崩壊、技術・ノウハウの陳腐化加速により、上司や先輩のアドバンテージは確実に無くなってきています。
高圧的なパワープレイだけでは人がついてこない、ついてきたとしても継続しない時代。
上司は孤独になりがちで、チーム本来の力を発揮できないことが起きています。
共感することで上司は孤独でなくなる
突破口の1つが
「共感」。
誤解されがちですが、共感は決して相手に迎合したり自分を抑え込むものではありません。
似たような言葉に同調があります。
・同調:相手の感情に乗っかり、自分も同じ感情を持って立ち振る舞うこと(自分と相手の境界線がない)
・共感:相手が抱いている感情に耳を傾け、そう感じてるんだね、と理解すること(自分と相手の間に最低限の境界線がある)
部下・メンバーに共感するということは、
上司である自分との比較や能力の高さの観点ではなく、
「なるほど、そう感じているんだね」
「そういう考え方もあるんだな」
と、まずはフラットに聴くことです。
自分との比較だけで部下に接するよりも、共感のまなざしを向けることで、相手に与える印象も変わり、
心理的安全や一体感が生まれやすくなります。
つまり、上司は孤独から解放されていくのです。
共感力を高めるには
では、どうすれば共感力を高めることができるのでしょうか。
残念ながら、小手先のテクニックではなく在り方の訓練が必要で、
一長一短で身につけられるものではありません。
カウンセラーやコーチングのコーチでも数十時間〜100時間のトレーニングを受けて、習熟していくものです。
1つだけコツを挙げるとすれば
評価判断を脇におく
ということです。
評価判断とは、
「この人は、どうせ大したことを言わないだろう」
「君はどんな言い訳するつもりかな」
「お前の考え方は違う」
という聴き方です。
そうではなく、まずは
「ふむふむ」とフラットに
「そういうことを感じてたんだね」
「そういう考え方をしているのだな」
と一旦受け止める、
そういうスタンスで聴きます。
自分の意見を言ってももちろんOKです。
その時、頭ごなしに否定したり論破するよりも
ちなみに私はこう考えているよ
と、主語を自分にしてコメントします。
ぜひ今日から訓練してみてください。
<今日の質問>
・もしあなたがメンバーの立場だったら、上司である あなたはどれくらい安心できる存在ですか?
・メンバーと最高の一体感を持てたら、どんなことができますか?
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著者プロフィール
佐藤 春幸(さとう はるゆき)
プロコーチと(株)セイムペイジ人事責任者のパラレルキャリア。コーチング・組織開発など、変化の渦中にある人と企業を支援。
米国CTI認定CPCC(プロフェッショナル・コーチ)