理論武装した感情はマネジメントの落とし穴

 

理屈・正しさだけで人は動かない

 

例えば上司と部下のコミュニケーション、または部署間のコミュニケーションで、

 

・自分が意図したことが、相手になかなか伝わらない

・正しいことを言っているはずなのに、話が通じない

・なんか噛み合わない

 

と感じることがあると思います。

理由として、

 

・客観的に理屈が通っていない

 

という可能性もありますが、実は

 

・実は「感情」がNOと言ってる

 

という場合があります。

 

あなたが仮に正しいことを言っていても、

こうした感情をないがしろにしたままでは、相手は行動に移してくれません。

 

何とか行動してくれたとしても、持続的・効果的な関係性ではなくなってしまいます。 

 

 

 

感情は水面下で湧き上がっている

 

では上司部下の会話や他部署との折衝において、感情がNOと言っているというのは具体的どういうことでしょうか。

 

例えば、

 

・急な話で困惑している

・信用できない相手からの話で疑っている

・本人にとって不都合な真実なので恐れを感じてる

・論理は正しくても表現方法が悪くイラ立ちをおぼえている

...etc

 

これらは見た目上、わからないかも知れません。

 

「感情」というと、怒りに身を任せて怒鳴ったり、ヒステリックになって取り乱すイメージを持たれがちですが、

それはあくまで一例に過ぎず、

 

特に職場においては

 

「水面下で湧き上がる感情」にアンテナを張ること

 

が重要です。

 

 

論理武装した感情に惑わされないこと

やっかいなのは、
感情が湧き上がっている本人もそれに気付かない
 
ということです。
そのため、感情はしばしば
「論理武装した言葉」
 
として出てきます。
例1
・何でそんなことになったんだ!
→理由を尋ねているように見えますが、こういうときに理路整然と理由を説明しても火に油を注ぐ事があります。
結構な割合で、
「理由の説明」よりも
「誠意を持った謝罪」や「反省の態度」を求めている事があります。
例2
・絶対に効果があると断言できますか?
→確証が持てるか否かを尋ねているように見えますが、実際には
「巻き込まれることにめんどくささを感じているだけ」
のケースがあります。
このように、感情以外の言葉で出てくる事がありますので、注意深くアンテナを張ることが必要です。
 
 

 

感情へのアンテナを鍛えるには

 

どうすれば、こうした論理武装した(水面下の)感情に気付くことができるのでしょうか。

 

まずは自分の感情に意識的になることです。

 

あなた自身も、日常の中で様々な感情が動いています。

自分は違うと思っているのであれば、それは気付いていないだけかも知れません。

 

「感情」という言葉でピンとこない場合は、

 

「気持ち(感じていること)」

 

という言葉に置き換えてみてください。

 

日常の中で度々、

 

「今、自分の中にどんな感情(気持ち)があるか」

 

に意識を向けてみることで少しずつ訓練することができます。

 

本格的に鍛えたい場合には、

 

感情の取扱にも慣れたコーチのコーチング

 

を受けるのも良いです。

 

自分の感情にアンテナを張れるようになれば、他人の感情にも気付けるようになるでしょう。

 

 

<今日の質問>

相手の感情にどれくらい気付けていますか?

 

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・キャリアビジョンや人間関係をクリアーにして前に進みたい

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著者プロフィール

佐藤 春幸(さとう はるゆき)

プロコーチと人事のパラレルキャリア。コーチング・組織開発など、変化の渦中にある人と企業を支援。

米国CTI認定CPCC(プロフェッショナル・コーチ)